良書を初めて読むときは、新しい友を得たようである。
オリヴァー・ゴールドスミス(イギリスの詩人、小説家/1728-1774)
前に精読した書物を読みなおす時は、旧友に会うのと似ている。
こんにちは、ニンジャです!
今回は、1冊の本を繰り返し読むことの効果とは?というテーマで、知識を定着させる読書法について書いていきます。
一般的に読書をしているか/していないかは、「読んだ本の数」で測られることが多いです。
世の中には多読の方法論が溢れていますし、「年間○冊」という風に、どのくらいを読書をしているかを表現するケースも。
しかし、色々な種類の本を多読することが、最も効果的な方法なのでしょうか?
そこで年間100冊を目指して多読したり、1冊を5回以上読み返したりと、様々な読書法を実践してきた僕が、1冊を繰り返し読むことの効果について、共有したいと思います。
結論から言うと、1冊を繰り返し読むことは理解・思考を深める効果があり、数種類の本を多読するよりも効果があると感じています。
この記事では具体的に、「その効果とはどういうものか?」「1度読むだけでは不十分なのか?」「繰り返し読むなとして、適切な回数や頻度はどれくらいか?」などについて、書いています!
また、読書のメリットを頭に入れて本を読んだ方が効果的です。せっかく読書をするなら、以下の記事も参考にしていただければと思います。
1冊の本を繰り返し読むことの効果とは?
突然ですが、「読書百遍義自ら見る」という言葉をご存知でしょうか?
「読み方すら分からない…」という方がほとんどだと思います。
僕も今回調べていく中で、初めて知った言葉です。。
「読書(どくしょ)百遍(ひゃっぺん)義(ぎ)自(おのずか)ら見(あらわ)る」とは、「読書を百回すれば、意味も勝手に分かってくるよ」みたいなニュアンス。
正式には、「繰り返し熟読すれば、どんな書物でも意味が自然とわかってくる」という風に説明されます。
1冊の本を繰り返し読むことの効果とは、知識・思考法を定着させること。
「読書百遍義自ら見る」という言葉が、はるか昔の中国から伝わっていることからも、この効果は、昔から実感されてきたといえるでしょう。
「「読書百遍義自ら見る」は正しいか」(田中 裕 2006年)という論文では、19名の大学生を対象にデカルトの「方法序説」を30回読ませて理解度を調べる、という実験をしています。
その結果、1回目、5回目、10回目と回数を追うごとに、理解度も上がっていくことがわかりました。
みなさんも「同じ問題を何度も解いていたら、出来るようになった」「1度目は失敗したけど、2度目には出来た」、という経験があるのではないでしょうか?
繰り返し行なうことによって定着度の向上する、というのは読書にも当てはまることだと思います。
でも、「繰り返し読むと理解度が深まるのはわかったけど、本当に1度だけじゃ理解できていないの?」と、疑問に思う方も多いと思います。
ていねいに1度読むだけでは、不十分なのでしょうか??
1度読むだけでは、理解できてない!?
エビングハウスが行なった実験をご存じでしょうか?
忘却曲線で有名な、あの実験です。
エビングハウスは実験で、「子音・母音・子音」を組み合わせた、意味の無い単語を、被験者に記憶させました。
その後、最初に覚えた時にかかった時間に対し、再学習した時にかかった時間がどれくらいかを算出しました。結果は、以下の通りです。
経過時間 | 節約率(思い出すのに必要な時間・労力を減らせた割合) |
20分後 | 58% |
1時間後 | 44% |
1日後 | 34% |
1週間後 | 23% |
1ヶ月後 | 21% |
エビングハウスの実験から分かることは、人は一度覚えたと思ったことでも、次に思い出すのに時間・労力がかかる、ということ。
例えば、エビングハウスの実験では、1時間後には覚えたときの約6割の労力(例えば、1時間で覚えたら33分間)をかけないと、再度覚え直すことはできないとされています。
知識を定着させるには、”復習”がかならず必要です。
読書にとっての復習にあたるのが、繰り返し読むこと、だといえるでしょう。
「一度読むだけでは、覚えられない!」というのはわかりました。
では、具体的には何回読むべきなのでしょうか?
また、どれくらいの頻度で読み返すべきなのでしょうか?
繰り返し読むのに、適切な回数と頻度は?
適切な頻度について
まず、繰り返し読むのに適切な頻度から、ご紹介します。
復習のタイミングは、「忘れた頃」がポイント!
具体的には、僕は『知識を操る 超読書術』(DaiGo・著)を参考に復習しています。
【繰り返し読むタイミング】
1回目:1日後
2回目:1週間後
3回目:1ヶ月後
エビングハウスの実験からも分かるように、人間は1時間後や次の日にも、知識は抜け落ちています。
そのため、遅くとも次の日には再度読み返して、復習することが重要!
忘れた頃に、再度思い出すという作業をすることで、脳が重要な記憶だと判断し、長期記憶に保存されるという効果も見込めます。
あくまで目安ですが、1日後・1週間後・1ヶ月後を参考に、再度読み直してみるのがおすすめです!
適切な回数について
次に、繰り返し読む回数について。
繰り返し読む回数は、頻度に合わせて最低3回、でよいと思います!
もちろん、一言一句ていねいに読むという方法をとらなくても、重要な部分だけをピックアップする、という方法でもよいです。
1回目に本を読む際に、後から読み返したい場所に線を引いておくと、重要な部分だけを拾い読みしやすくなります!
本を読むときに線を引くコツについても、別の記事で紹介しているので、ぜひそちらも併せて参考にしてみてください!
また、読書ノートという形でまとめている方は、読書ノートを見直すでもOK!
もし「これから読書ノートを取るぞ!」という方は、僕が実践している、簡単な読書ノートの書き方を紹介している記事もあるので、よろしければ参考にしてください!
どういう形で復習するにしても、
あなたが覚えたい部分は、必ず繰り返し読み、復習するようにしましょう!
また「勉強のための読書」は、読む前に目的を明確にするなどのちょっとしたコツを知ることで格段に効果的な読書ができるようになります。勉強に特化した読書術を知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください!
さいごに
今回は、1冊の本を繰り返し読むことの効果とは?というテーマで、知識を定着させる読書法について書きました。
勉強のための読書は、知識を定着させることが第一の目的だと思うので、効率よく定着させるために、繰り返し読むという方法を試してみてください!
また、「本の内容が頭に入らない!」とお悩みの方のために、読書の内容が頭に入らない原因を分析して解決策について書いた記事もあります!そちらもぜひ、参考にしてみてください!
「はじめてニンジャ」では、読書をする人を応援するために様々な記事をお届けしています。
効果的な読書方法をまとめた記事
様々な事柄を分かりやすく簡単に解説した記事
おすすめの本をまとめた記事
などがあるので、ぜひ参考にしてみてください!
参考文献
論文:「「読書百遍義自ら見る」は正しいか」(田中 裕 2006年)
書籍:『知識を操る 超読書術』(DaiGo・著)
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