読書は、平凡を越えようとする者にとって不可欠なものだ。
ジム・ローン(アメリカの実業家/1930-2009)
こんにちは、ニンジャです!
今回は、読書と年収の関係というテーマで、「読書量と年収は相関するのか?」「読書の質の重要性」について書いていきたいと思います。また、年収を上げるための読書についても解説しています!
いきなりですが、将来のキャリアアップにおいて「読書の質」って、どの程度重要だと思いますか?今回の調査で、読書量と年収には直接的な関係がないことが判明しました。
しかし一方で、自然科学系の本を読んだ経験がある人の方が、読んでいない人よりも年収が多いというデータが出たのです。なぜ、自然科学系の本を読むことが年収に関係するのか?その理由を探るため、あなたに興味深い研究結果をご紹介したいと思います!
「読書」と「年収」にはどんな関係がある?
「読書量」と「読書の質」の違い
まずは、簡単にこの2つの違いについて触れておきます!
「読書量」とは、どれくらい読んだか?です。年間に読んだ本の冊数であったり、ページ数であったりします。どれくらい読書の習慣があるのかを表す指標として、一般的に用いられています。
「読書の質」とは、何を読んだか?です。どういったジャンルの本を読んだのかであったり、どの程度の難易度の本を読んだのかであったりします。こちらは、あまり言及されることの少ない指標だと思います。
「読書量」と年収に相関は無い!
では、「読書量」と「読書の質」の違いについて見たところで、意外な事実を紹介します。
それは、「読書量」と年収については関係が見られない!というものです。
読書量と年収の関係を調べた、「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」(独立行政法人国立青少年教育振興機構 2013)という調査があります。
調査結果によると、”子どもの頃(就学前~中学生)の読書量”と”成人してからの年収”との相関係数は-0.079(p<.01)。”成人期の読書量”と”年収”の相関係数は0.094(p<.01)ということが分かりました。
この結果を受けて、考察として以下のように結論付けています。
子どもの頃から現在に至る読書量や読書嗜好の全般的な傾向と、成人の現在における学歴・年収との間に明確な相関を認めるには至らない。
すなわち、日頃、読書に勤しんでいる人ほど学歴・年収ともに高い生活状況にあるとは言えないことになる。
「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」(独立行政法人国立青少年教育振興機構 2013)
つまり、「読書量と年収に関しては相関がみられない」と結論付けています。
読書量と年収に相関があるとしているデータもありますが、その多くが”今の年収”と”今の読書量”の相関を調べています。
しかし、年収が高い人ほど本を買う余裕があり、年収が低い人は本を買っている金銭的な余裕はないという傾向があるはずなので、この相関は当然のことだと言えます。
それに対して、この調査では、”子どもの頃の読書量”と”大人になってからの年収”の関係を調べています。
そのため、読書量が年収にどのような影響を及ぼすのかという点については、こちらがより正確に調べているといえます。
一方、この調査では、「読む本のジャンル」と「年収」の関係についても調査しています。
そして、そちらの結果が興味深いものになっています。
その調査とは、就学前から高校にかけて、1 時期でも「自然科学系の本」を読んだことがあると回答した成人と、「自然科学系の本」を読んだことがないと回答した成人を比較したもの。
この結果、「これまでに自然科学系の本を読んだ成人のほうが読まなかった成人よりも、学歴が高く個人年収も多い」ということが分かりました。
読書量と年収に相関はなかったけれど、自然科学系の本を読んだ経験と年収に相関はある。
これは一体、どういうことなのでしょうか?
年収は「読書の質」に相関する
上記の調査結果を受けた考察は、以下のようなものになっています。
自然科学系の本を読んできた成人と読んでこなかった成人との間には、学歴や年収面で比較的はっきりとした有意差が現れている。
「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」(独立行政法人国立青少年教育振興機構 2015)
この結果を見ると、読書を概括的な「量」や「好み」の問題で見る限りは成人の生活状況とさしたる関連を示さないが、その「中身」すなわち質的な側面の一部は、何らかの形で当人の人生に影響を与えることが示唆される。
つまり年収は、読書の「量」や「好み」とは関係がないけれども、読書の「中身」とは関係がある、ということ。
年収と関係があるのは、「”どれくらい”読んだか?」ではなく、「”何を”読んだか?」だといえます。
では、”何を”読めばいいのでしょうか?
年収を上げるために効果的な読書とは?
ズバリいうと、年収を上げるために必要な読書とは、「勉強としての読書」だと考えます。
「勉強としての読書」とは何か?について、簡単に説明します!
まず読書というのは、「芸術鑑賞としての読書」と「勉強としての読書」に分けられると考えています。
「芸術鑑賞としての読書」とは、主に小説で、ストーリー展開や文体を楽しむもの。
「勉強としての読書」とは、主に実用書やビジネス書などで、知識をインプットしたり、思考を深めたりするものです
詳しくは、以下の記事でまとめていますのでぜひご参考に!
「芸術鑑賞としての読書」と「勉強としての読書」は、同じ「読書」という言葉に含まれるため紛らわしいですが、全くの別物だと考えたほうが良いと思います。
ここからは僕の考察ですが、前述の調査で読書量と年収に相関が見られなかったのは、「芸術鑑賞としての読書」が含まれていたからだと思います。
反対に、自然科学系の本を読んだ経験と年収に関係が見られたのは、「勉強としての読書」のみを対象にしていたからだと考えています。
もちろん「芸術鑑賞としての読書」は、人生を豊かにすることは間違いないと思いますし、間接的には年収にも関係しているかもしれません。
しかし、あくまでも直接的な効果があるのは、「勉強としての読書」を、どれだけしたのかによるとと思います。
年収を高くするためには、労働市場から求められるレアな人材でなければいけません。
「1000万払ってでも、うちに来てほしい!」と、思われるような人になる必要があります。
そんなレアな人材になるには、どうすればよいでしょうか?
レアな人材になるのに近道は無いと思います。
なぜなら近道があるなら、皆がその道を使い、結果的にレアでは無くなるからです。
レアな人材になるには、コツコツと勉強して、成長していく他ありません。
良質な勉強方法は様々ありますが、そのうちのひとつが「勉強としての読書」だということだと思います。
つまり、年収を上げるために必要な勉強をするための、最も効率が良い方法のひとつが「読書」であるということ。
その点からすると、「読書をすると年収が上がる」というのは間違いではないと考えています。
ちなみに、以下の2つの記事では読書の効果・メリットと、「勉強としての読書」のやり方を書いていますので、併せて参考にしてみてください!
さいごに
今回は、読書と年収の関係というテーマで、「読書量と年収は相関するのか?」や「読書の質の重要性」について書きました。
そのなかで、読書”量”と年収は関係がないですが、読書の”質”と年収には関係があるということが分かりました。
つまり年収を上げるには、「”どれくらい”読んだか?」ではなく、「”何を”読んだか?」が重要ということです。
また”何”を読めばよいかについては、「勉強としての読書」が必要だと書きました。
ジャンルは人によると思いますが、小説ではなく実用書・ビジネス書・学術書などの本を読むことが、長期的な年収アップにつながると考えています。
読書は、多くの人に開かれた勉強方法です。
特別な地位・多くのお金・恵まれた環境などが無くても、1冊の本を手に入れることが可能です。
2000円ほど払えば、一流の方が得た知識、考え、経験を読むことができる、最高にコスパのよい勉強方法だと思います。
いきなり勉強と言われると拒否反応が出ると思います。
個人的にはそこまで気負わずに、まずは1冊の本から始めてみることをおすすめします。
さいごに僕が書いた記事で、参考になりそうなものをまとめておきました。
「読書を続けられるか不安」「どうやって読めばよいか分からない」という方は、参考にしてみてください!
参考文献
「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」(独立行政法人国立青少年教育振興機構 2013)
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