こんにちは、ニンジャです!
今回は、『コンビニ人間』(著・村田沙耶香)のあらすじ・見どころを紹介したいと思います。
ネタバレ無しの見どころ紹介なので、『コンビニ人間』を読もうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください!
『コンビニ人間』のあらすじ
『コンビニ人間』は村田沙耶香さんの作品で、2016年第155回芥川賞を受賞し話題となった作品です。現在(2021.5)36の国や地域で翻訳が決定しており、累計で130万部を超えるベストセラーとなっています。
『コンビニ人間』は、コンビニバイト歴18年・彼氏なしの36歳である古倉恵子という女性が主人公の物語です。
物語はコンビニでバイトしている古倉恵子の描写から始まります。古倉恵子は、18年間コンビニのご飯を飲み食いし、コンビニで働くために睡眠を取っています。
そんなある日、婚活目的の新入り男性・白羽という男性がやってくることで、これまでの日常が狂い始める…という物語です。
『コンビニ人間』の見どころとは?
続いては、『コンビニ人間』の見どころ・おすすめのポイントをご紹介します。
1.世の中の”普通”にメスを入れる
『コンビニ人間』は、世間の”常識”からかけ離れた主人公・古倉恵子を通して、世の中の”普通”にメスを入れる作品となっています。
古倉恵子は徹底的に”普通ではない”人物です。幼少期には死んでいる小鳥を見て焼き鳥にして食べようと言い周囲を驚かせ、コンビニで18年間もアルバイト生活を送り、結婚どころか恋愛経験もありません。
そんな”普通ではない”古倉恵子の周囲の人物は、いたって”普通”の人物です。妹は結婚して子どもがいて、家族で駅前のマンションに暮らしています。友人は結婚して子どもがいるか、正社員としてバリバリ働いています。
そして、妹も友人も皆、結婚もせず正社員でもない36歳の古倉恵子を不審に思っています。
妹や友人は世の中的には”普通”なのですが、この物語を読むと、”普通ではない”人を見つけて、”普通”になるように強要する異常な存在に見えてくるのが面白いポイントだと思います。
2.世界への入り口としての”コンビニ”
主人公・古倉恵子は、18年間もコンビニでアルバイトをしています。
それは「「店員」という、コンビニのための存在」になることで、「世界の部品」になることができるからだと、古谷恵子はいいます。
これまで何をしても”普通ではない”と言われ、世界になじむことのできなかった古倉恵子が初めて世界になじむことができた、世界への入り口がコンビニだったのです。
古谷恵子は普段の生活では他人の真似をしたり、質問に妹に教わった嘘で答えたりと”普通”をマニュアル化することで、”普通”を装いながら淡々と生きています。
しかし、コンビニではとても活き活きとして、楽しげに見えます。
コンビニという均質的な箱の中に、個性を殺して押し込められるのではなく、コンビニという箱の中だからこそ、自分を殺さずに生きている姿がとても印象的です。
3.違和感 vs. 違和感
『コンビニ人間』の最大の見どころは、”普通”とは何か?を考えさせられるところにあると思います。
主人公の古谷恵子は”普通ではない”存在で、”普通”の読者からすると違和感を感じて当然の存在です。ただこの作品では、”普通”の人々である妹や友人の”異常さ”を痛感することになります。
古谷恵子に抱く違和感(”普通ではない”という感じ)と、妹や友人に対して違和感は全く別物です。この2種類の違和感を同時に味わえるという点が『コンビニ人間』の魅力だと感じています。
文庫版で全161ページと短めのお話ですが、読み終わった後、思考をめぐらす時間はどの小説よりも長くなると思います。
さいごに
今回は、『コンビニ人間』の見どころ・あらすじを紹介しました!
僕は先月初めて読んだのですが、衝撃的で、読んだ後はなかなか頭から離れなかったです。
個人的に最もおすすめしたい小説のひとつなので、ぜひ機会があれば手に取ってみてください!!
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