こんにちは、ニンジャです!
今回は、小説『罪の声』(作者・塩田武士)の見どころとあらすじを紹介します!
ネタバレは避けていますので、ご安心ください。
『罪の声』のあらすじ
『罪の声』は、実際に起こった事件「グリコ・森永事件」を題材としたミステリー小説です。
あらすじは以下のとおり。
京都でテーラー(スーツを仕立てる人)を営む曽根俊哉(そね としや)が、ある日実家で事件に使われたテープを見つけます。さらにはそのテープの声が幼いころの自分の声だと気づきます。一方、新聞記者の阿久津英二(あくつ えいじ)も、この未解決事件を追い始めます。
曽根俊哉・阿久津英二という2人の主人公がそれぞれの方法で、どんどん事件の全貌が明らかにしていきます。少しづつ事件が解明していくので、続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした‼
以上が大体のあらすじになります!
これから『罪の声』の見どころを紹介していきます!
『罪の声』の見どころとは?
1.圧倒的なリアリティ
1番の見どころは、「圧倒的なリアリティ」です。
実際の事件をモチーフにしているものの、もちろんフィクションなのですが、「本当に事件の真相はこんな感じだったんじゃないかな…」と何度も錯覚してしまいました。
2人の主人公が事件の真相を解明していく過程もすごくリアルなのですが、終盤に暴かれる事件の「真相」もリアル。
あまり多くは語れませんが、この『罪の声』という小説は、とても小説っぽくない終盤を迎えます。最後の最後までリアリティを感じることができる作品です!
2.事件関係者!?と新聞記者という2人の主人公
2つ目の見どころは、2人の視点から事件を眺めることができることです。
あらすじのところでも言ったように、『罪の声』には2人の主人公がいます。
1人は、新聞記者である阿久津英二(あくつ えいじ)です。
阿久津英二は、当時この事件を関係していたわけでもなく、現在は文化部という芸能関係の部署にいて、この事件とは全く関係ありませんでした。ただ、ひょんなことからこの未解決事件を取材することになります。
そしてもう一人の主人公が、曽根俊哉(そね としや)です。
曽根俊哉は、京都でテーラー(スーツを仕立てる人)を営むごく普通の一般人です。
事件には関係ないと思っていたら、実家から自分の声を録音した奇妙なテープが見つかり、それが未解決の脅迫事件に使用されていたことを知ります。
このことから、自分の父親もしくは親族の誰かがこの未解決事件の犯人ではないか、と疑い始め、事件の真相を知るために独自で捜査を始めます。
「新聞記者と一般人」「事件の関係者と無関係」という風に全く異なる2人なので、事件へのアプローチも全く異なります。
読者としては、事件を2人の主人公という別角度から見ることができるので、リアリティを持って立体的に把握できます。
事件が解明されていくにつれて、だんだんとこの2人が近づいてくので、二重のドキドキを味わえます!!
3.加害者でも被害者でもない主人公・曽根俊哉
3つ目の魅力が主人公・曽根俊哉は、被害者でも加害者でもない微妙な立ち位置だということです。
曽根俊哉は自分の声が事件に使用されたり、自分の父親や親族が犯人かもしれないという点から、加害者側でもあります。
ただ、事件に自分の声が使用されたのは幼いころであり、事件に巻き込まれた被害者とも言えるでしょう。
この微妙な立ち位置から来る心の揺れ動きが、鮮明に伝わってきます。
『罪の声』は事件の真相を解き明かすミステリーでもあり、その事件の中で揺れ動く人々の人間ドラマでもあります。
さいごに
今回は、『罪の声』のあらすじと見どころを紹介しました!
本当に面白くて、すらすら読めてしまうので、読書が苦手な方にもおすすめです!
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