ブックオフで本を買うことは悪か?【中古本の出版業界への影響について】

ブックオフで本を買うことは悪か?【中古本の出版業界への影響について】分かりやすく簡単に解説シリーズ

こんにちは、ニンジャです!

今回は、ブックオフで本を買うことは悪か?というテーマで、新品以外の本を読むことの是非、出版業界への影響を考えてみたいと思います。

なぜブックオフが批判されるのか?

Twitterで度々、話題に上がるのが「ブックオフ・図書館で本を読むべきではない」という意見です。なぜこんな意見が出てくるかというと、図書館はタダなのでもちろんですが、ブックオフで買った本でも著者に印税が入らないからです。

本屋さんやAmazonなどで新刊を買った場合は印税が入るので、「著者の創作活動を応援するには新刊で買うべきだ!」「中古で買う人ばかりになると、出版業界がますます衰退してしまう!」という意見が出てくるわけです。

たしかに、著者に印税が入らなければ職業として成り立たないですし、今後の出版業界にも悪影響を及ぼします。

ただ、ブックオフや図書館のおかげで、お金に余裕があるお金持ち以外でも本を読むことができているので、ブックオフや図書館は出版文化の浸透に貢献しているともいえます。

お金がない学生時代にブックオフや図書館にお世話になった人が、大人になってほしい本を新刊で買えるようになったという話はよく聞きます。

もし、ブックオフや図書館が無ければ、お金のない学生時代に本を買えないため、読書の習慣がつかず、大人になって本を読まない人になっていたかもしれません。

将来の顧客を育てる、読書習慣がある人を育てる、という意味合いでは、ブックオフや図書館は出版業界に貢献していると言えるでしょう。

このように、ブックオフや図書館の存在は、メリットとデメリットが両方あり、それがゆえに賛否両論を巻き起こしているのだと思います。

このままでは平行線を辿るので、少し角度を変えて考えてみます。

肝心の出版業界はブックオフをどのように捉えているのか、です。

これも出版業界で働く個人に焦点を当てると、賛成の人もいれば、反対の人もいるということになると思うので、出版会社や書店などの法人にスポットライトを当ててみてみましょう!

出版会社・書店は、ブックオフを応援してる!?

出版会社や書店などの法人にインタビューをすることはできないので、法人の考えを知るときにはお金の動きを見るのが基本です!

ということで、以下のデータを見てみましょう。

BOOKOFF GROUP HOLDINGSのIR情報「FACT BOOK 2023」より

これは、ブックオフのIR情報(投資家向けに公開している会社の情報です)から拝借してきた表になります。

この表は何を表しているかと言いますと、ブックオフに出資している株主とその持ち株比率です。つまり、ブックオフの株を購入して資金的な援助をしている法人のリスト、というわけです。

この表の「3 大日本印刷株式会社」「4 丸善雄松堂株式会社」は同じグループの企業で、そのグループには「丸善」「ジュンク堂書店」などを運営する企業や出版社の機能をもった「丸善出版株式会社」も含まれます。

つまり、この2つの会社は、書店や出版社を有する巨大グループ企業の一員、ということです。

また、この表の6番目には「株式会社講談社」「株式会社集英社」「株式会社小学館」という超大手出版社の名前が並んでいます。

このように、大手書店や大手出版社はブックオフの株主になっているわけです。

株を買うというのは、ブックオフに金銭的援助をしているということであり、ブックオフが成長して株価が上がると、株主である企業の利益になるということです。

つまり、ブックオフの売り上げが上がることは、大手出版社の利益につながり、その利益が著者の収入につながるので、ブックオフで本を買うことと著者の印税は無関係ではない、ということですね。まあ、遠まわしにではありますが。。

どういう仕組みが必要か?

個人的な意見としては、ブックオフで本を買うことは全く問題ないと思いますし、ブックオフの存在は出版業界にとってプラスだと思っています。

本を買うことへのハードルを下げて、金銭的負担を少なく読書習慣を身に着けてもらうことは、長期的に考えると出版業界に好影響を与えます。

また、ブックオフに収益をもたらすことは、株主である書店や出版社の直接的な利益にもつながります。

とはいえ、喫緊の課題である著者に印税が入らないという問題は解決すべきだとも思います。

そのための具体策を考えてみると、まず必要なのは、ブックオフで購入された場合でも、著者に収益が入る仕組みではないかと思います。

大手出版社がブックオフの株主である以上、ブックオフの業績が上がることでこれらの出版社も利益を得ているということです。

その利益を適切に著者へ還元していく仕組みを、出版社とブックオフが協力をして作り上げてもよいのではないでしょうか?

例えばですが、ブックオフで本を買う際に著者への還元分をプラスで払える仕組み、もアリだと思います。

ブックオフで1冊300円の本を買う際、著者への還元分をプラスで払うことを選択すると、値段が330円になり、そのプラス30円分が著者に支払われるという仕組みです。

ブックオフで本を買う人には、すべて新刊で買うには金銭的に厳しいけど、本が好きで著者にもお金が入ってほしい、という思いの人がいると思います。

その人の思いをかなえるための仕組みがあってもいいのかな、と思いました。

ただ、いきなりそんなに上手くはいかないと思うので、短期的にはより多くの人に新刊で本を買ってもらう取り組みが必要です。

今でもサイン本であったり、購入者だけが参加できる講演会であったり、工夫はされていますが、それが広く浸透しているとは思えません。

「新品で本を買う意味」を強化することで、中古本や図書館との住み分けをすることができるうえに、本を買って一人で読むだけでは終わらない、新たな読書体験を作り上げていけると思います。

ぜひこの点は、書店業界や出版業界の人たちに頑張ってもらいたいと、いち消費者としては思っております!

さいごに

今回は、ブックオフ・図書館の本を読むことは悪か?というテーマで、新品以外の本を読むことの是非、出版業界への影響について考えてみました。

皆さんは、ブックオフ・図書館で本を手に入れることには反対ですか?賛成ですか?

この機会に、少し考えてみても面白いんじゃないかな~と思います!

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